Q&A

その他絵具

  • Q1.

    日本画を描いているのですが、膠水となじみの悪い顔料は描いた後もはがれやすいなどの問題はありますか

    • A1. 顔料が接着するためには、顔料がバインダーに濡れていることが必要です。「なじみが悪い」場合は顔料の表面がバインダーではなく、空気でおおわれている状態になります。接着も悪く、無理をして描いてもはがれやすくなります。「分散剤」を使うとバインダーと容易になじみます。
  • Q2.

    絵皿で乾いた岩絵具をまた使うことはできますか。

    • A2. 乾いた膠は無理に溶いても接着力は低下しています。温湯で完全に膠を洗い出し、顔料を乾かし粉状にしてから、あらたに膠水を加えてください。
  • Q3.

    膠には様々な種類がありますが、使ったときに効果、保存上での違いはあるのですか。

    • A3. 膠は、日本画に使われる代表的なものは三千本と鹿膠と、洋画に使われるウサギ膠やパール膠、粉末膠があります。
      鹿膠は洋膠に湿潤剤を加えたもので、均質で純度が高く、透明なあめ色をしています。湿潤剤がはいっているため、洋膠の強すぎる接着力や乾くときの張力が弱められています。和膠である三千本は、適度な吸水性のある不純物が残るために柔軟性があり、接着力が穏やかで描画に向くとされています。
      代表的なものはウサギ膠で、色が淡く、接着力が強く、膜が柔軟で吸水性があまりないところから、下地に使われます。パール膠や粉末膠の原料は牛皮で、ウサギ膠より若干色が濃く、接着力が強くなります。
      どの膠も水で溶かした後、一週間くらいで使い切るのがよいでしょう。液体で売られている膠には防腐剤が入っていますが、あまり長期間保存していると、接着力は落ちてしまいます。
  • Q4.

    なぜテンペラは卵で描いているのに、絵が腐らないのですか。

    • A4. 卵テンペラも乾く前は腐りやすいですが、乾いて水分が抜けると菌の繁殖が抑えられ、腐らなくなります。ただし、乾いた後でも湿度の高いところで保管すると、腐ったりカビが生えたりしますので、保存環境には注意が必要です。
  • Q5.

    エアゾール製品のフキサチーフ、グラフィックス、パステルフキサチーフの違いは何ですか。

    • A5. フキサチーフ、パステルフキサチーフは接着成分として水溶性のヒドロキシプロピルセルロースという樹脂が配合されてます。パステルフキサチーフは、この樹脂によってパステルが濡れ色になるのを防ぐために、接着成分が少なめに配合されています。グラフィックスは若干の耐水性を持たせるために、ヒドロキシプロピルセルロースと耐水性のアクリル樹脂が混合してあります。
  • Q6.

    テンペラ画にカビ生えました。防腐防カビ剤の適正滴下量はどのくらいですか。

    • A6. 恐らく保存中の環境によってカビの増殖が促進された可能性があります。「防腐防カビ剤」は水20mlに対し、5滴程度で効果を発揮します。
  • Q7.

    蓄光顔料は永久的に発光しますか。

    • A7. 当社の蓄光顔料は化学安定性に優れており、永久的に発光し続けます。
  • Q8.

    水墨画にパール顔料等は使用できますか。

    • A8. 水墨画に限らず、油彩画、水彩画等にも問題なく使用できます。
  • Q9.

    パルプベースは水で薄めて使用しても良いですか。

    • A9. 水で薄めても使用できます。ただし、多量の水で薄めると接着力が低下します。
  • Q10.

    ピグメントのパールゴールド、ゴールドの違いは何ですか。

    • A10. パールゴールドは鉱物の雲母をベースに着色した顔料で、ゴールドは金属粉になります。パールゴールドは水性、油性問わずどんなバインダーでも使用できますが、ゴールドは水に濡れると錆びますので、油性タイプでしか使用できません。
  • Q11.

    色鉛筆の作品にグラフィックス使えますか。

    • A11. 問題なく使用できます。
  • Q12.

    膠に防腐防カビ剤は使用できますか。

    • A12. 膠にも問題なく使用できます。
  • Q13.

    テンペラ画は油彩と同様に臭いがきついですか。

    • A13. テンペラは基本的には「顔料、卵、水」を使用しますので、構成されている材料から見ても、油彩のような臭いは発生しません。しかし、テンペラに乾性油や樹脂を加える「混合技法」という技法があります。この場合は乾性油も含まれており、揮発性油も使用しますので、描画をする際には、油彩同様の臭いがわずかに発生します。
  • Q14.

    ダンマルとマスチックの違いは何ですか。

    • A14. ダンマル樹脂は、東南アジアなどでラワン属の樹木から採取される天然の樹脂です。マスチック樹脂はギリシャのヒオス島でしか栽培されていない、マスティハの木から採取された樹脂になり、その希少さゆえに価格が高いです。どちらも軟質の樹脂ですが、ダンマル樹脂の方が溶剤に対する溶解力もあり、ややとろみがあり光沢が強いです。マスチック樹脂の樹脂溶液は粘性が低くサラッとしていて、筆さばきが良く細い線も描きやすいです。
  • Q15.

    コピー用紙にパステルで描いたものにフキサチーフは使用できますか。

    • A15. 紙の種類を問わずフキサチーフは使用できます。ただし、紙に印刷されている場合は、フキサチーフを近づけて噴射するとアルコール成分でインクが溶け出す可能性がありますので、一度確認してからご使用ください。
  • Q16.

    ピグメントパールゴールドを肌に使用できますか。

    • A16. ピグメントは画材用として販売しているため、直接肌に触れるような使い方は出来ません。付け爪など直接肌に触れない方法であれば使用できます。
  • Q17.

    顔料の処分方法を教えてください。

    • A17. 有機顔料と記載されいるものは燃えるごみとして、無機顔料は不燃ごみとして処分します。作業中はマスクなどをして顔料を吸い込まないよう注意してください。
  • Q18.

    パネルに塗ったジェッソが黄味がかりました。原因は何ですか。

    • A18. パネルに直塗りしたのであれば、パネルのヤニが染み出てきています。ヤニ止めシーラーを事前に塗布してからジェッソを塗ると改善されます。
  • Q19.

    ジェッソ(軟膏缶)のふたが固まって開きません。

    • A19. ふたを温めると空きやすくなります。あるいはキャップオープナーを使うと便利です。使用後は容器のフチや、ねじ口部分についたジェッソを拭き取って閉めることが大切です。
  • Q20.

    包装物の一部印刷が?がれてしまいました。フキサチーフで補強できますか。

    • A20. フキサチーフ等の定着液は、本来、木炭やパステルなどの粉末状の画材を定着させる製品になりますので、すでに定着しているもの、印刷物に対しての補強や保護には向いておりません。反対に製品に含まれるアルコール成分で滲んだり溶け出す可能性があります。
  • Q21.

    木版画(不透明水彩)にグラフィックス使えますか。

    • A21. 木版画にもお使いいただけます。2~3度吹きかければ若干の耐水効果は出ますが、完全に耐水保護することはできません。
  • Q22.

    10年前に買った未開封のパステルフキサチーフは使えますか。

    • A22. 未開封の製品でも中身が劣化している場合があります。先ずは外観にさびなど異常がないことを確認した上で、実際に噴射して正常に噴霧され、匂いや状態に異常がなければ使用できるかと思います。必ず作品ではないもので確認してから使用してください。
  • Q23.

    グラフィックスは油性マーカーに使えますか。

    • A23. エアゾール製品には必ずアルコールが含まれていますので、近距離で吹きかけると油性マーカーが滲む恐れがあります。必ず作品ではないもので確認してからご使用ください。油性ボールペン等への使用にも注意してください。
  • Q24.

    パステルにフキサチーフを使用できますか。

    • A24. フキサチーフは接着成分が多いのでパステルの色調を沈ませやすくしますが、噴霧量を調整すれば問題なく使用できます。
  • Q25.

    ボローニャ石膏は型取りに使用できますか。

    • A25. 当社のボローニャ石膏は、油彩画等の下地に使用することを目的としているので型取りに関しては知見がありません。
      基本的には膠などの糊材を使用して初めて硬化するので、水だけで即時硬化する焼石膏が型取りには一般的です。
  • Q26.

    マスク液の処分方法を教えてください。

    • A26. 容器と中身を分けて破棄してください。中身はポリ袋に移し、漏れがないことを確認してから燃えるごみへ、容器は不燃ごみ、あるいは各自治体の指示に従って破棄します。
  • Q27.

    数年前に描いたテンペラ画の加筆をしたいのですが、何か注意が必要ですか。

    • A27. 画面を水で濡らした柔らかいウエス等で軽く拭き、ほこりやごみを綺麗に取り除いて乾拭きしてから加筆してください。
  • Q28.

    軽質炭酸カルシウムと重質炭酸カルシウムの違いは何ですか。

    • A28. 重質炭酸カルシウムは石灰石(主成分:炭酸カルシウム)を粉砕したもので、軽質炭酸カルシウムは石灰石を精製し、不純物を減らしたものです。軽質炭酸カルシウムの方が粒径が均一で細かく、白色度が強いです。
  • Q29.

    フキサチーフをかけた作品は、屋外に置いても退色などの心配はありませんか。

    • A29. フキサチーフは水溶性のため、雨などで落ちてしまいますし、作品の退色を防止する効果はありません。
  • Q30.

    ブラシソフターは筆が湿った状態と乾いた状態、どちらで使用する方が良いですか。

    • A30. 筆が湿っていても、乾いても、内側までブラシソフターをすり込ませるようにして使用すれば、効果に違いはございません。ただし、余計な水気は布などでふき取ってから使用してください。
  • Q31.

    中身が大量に入っているフキサチーフを破棄したいのですがどうすればよいですか。

    • A31. エアゾール製品は必ず空にしてから破棄します。中身が沢山入っている場合も中身を出し切ってください。大きめのゴミ袋に新聞紙やウエス等を入れて、袋の中で中身を噴射させると成分が飛散しにくいので安心です。作業は必ず火気のない通気性の良い屋外で行ってください。中身を出し切ったら、ガス抜きキャップを使用して中のガスを抜いて破棄します。中身は成分が揮発したら燃えるごみとして破棄し、容器は各地方自治体のルールに基づき処分してください。
  • Q32.

    ピグメントのコバルトやカドミウム顔料の毒性についてどのくらいありますか。取り扱い上の注意を教えてください。

    • A32. コバルト、カドミウム顔料は、コバルト、カドミウム金属を原料としていますが、化学合成で別の化合物へと変わっているため、金属のコバルト、カドミウムとしての有害性はありません。誤飲で体内に入り込んでも吸収されることなく排出されます。また、皮膚を侵したり、皮膚から成分が入り込むこともありません。取り扱う上では、他の顔料と同様に粉末を吸い込まないようマスクをしてください。
  • Q33.

    顔料について、他メーカーとC.I.Nameが同じものでも、名前が違ったりするのはどうしてですか。同じものですか。

    • A33. 化学物質には組成が同じでも様々な言い方や名前があります。顔料についてもメーカーで統一していないため、顔料名が異なる場合もあります。C.I.Nameが同じであれば、同じ組成から成る顔料ですのでご安心ください。ただし、色味は全く同じではありません。

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