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■画用液
Q1  画用液に種類がたくさんあるのはどうしてですか。また、使う順番はあるのですか。
Q2  リンシードオイルとポピーオイルの使い分けを教えてください。
Q3  ペトロールとテレピンの使い分けを教えてください。
Q4  乾性油と揮発性油を混ぜてオリジナルの画用液をつくりたいと思います。その割合はどのくらいにしたらよいでしょう。
Q5  油つぼに画用液をいれて保管していたら、固まったのはなぜですか。
Q6  テレピンのにおいがきつすぎてダメなのでが、においのすくないものはありますか。
Q7  油絵具をかいていると、画用液で手が荒れるのですが、何かいい対処法はありますか。
Q8  油絵具の筆洗液の成分を教えてください。
Q9  油絵具の筆洗液の代用として灯油は使えないでしょうか。
Q10  描き終わった後、筆をブラッシクリーナーに入れっぱなしで放置してだいじょうぶですか。
Q11  ブラッシクリーナーに水をいれて使用したほうがよいのですか。
Q12  汚れにくいブラッシクリーナーはつくれませんか。
Q13  ブラッシクリーナーの容器にはいっている白い玉はなんのためのものですか。
Q14  使い終わったブラッシクリーナーは、どうやったら処理できるのですか。
Q15  以前買ったペインティングオイルが白くにごってきました。使わないほうがよいでしょうか。
Q16  金属製の缶にはいったテレピンをしばらくぶりに使おうと思ったらサビのような色がついていました。湿気のせいでしょうか。
Q17  油彩画の仕上げニスはかけなければいけないのですか。
Q18  ニス(画面保護材)によって6カ月以上、絵具を乾かしてから塗らなくてはいけませんが、指触乾燥程度でそのニスを塗るとどうなりますか。
Q19  作品を展示する直前の指触乾燥程度の作品には、どのニスを塗れば光沢がきれいに出ますか。
Q20  エアゾールになった「ルツーセ」を使っているのですが、途中から噴射できなくなりました。不良品でしょうか。
Q21  画用液には有害性や危険性をしらせるアイコンが表示されているものがあります。どのくらい有害危険なのでしょうか。また正しい取り扱いかたを教えてください。
Q22  画用液の使用期限はありますか。

Q1: 画用液に種類がたくさんあるのはどうしてですか。また、使う順番はあるのですか。
A: 実は油絵具というものは、不完全な作りをしていると言ってもよいくらいで、絵具だけではほとんど絵が描けず、限られた表現しかできません。自由に絵具をあつかうには画用液の助けが必要になってきます。

最初から絵具と画用液をいっしょにしておけば手間はかかりませんが、いろいろな人のいろいろな要求に応じることができません。画用液を絵具と別にしておき、何種類か作っておけば、それぞれの要求に応じられるというわけです。また、画用液には使用目的によって特別な用途をもつものがあります。加筆専用の画用液とか、仕上げの保護剤、固まった絵具の剥離剤、乾燥促進剤などです。

それらを全部使う必要はありませんし、使う順番によってたくさん作られているわけでもありません。それぞれの画用液の特長を理解して、自分の必要なものを選択して使えばよいわけです。
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Q2: リンシードオイルとポピーオイルの使い分けを教えてください。
A: リンシードもポピーも乾性油、つまり酸素と反応して乾く油で、油絵具を練り合わせるための糊剤=バインダーとして使われています。

画用液としては、これにテレピンのような揮発性溶剤を加えるなどして、絵具の溶き油にします。それぞれに特長があって、リンシードオイルは比較的乾燥が速く、黄変の程度はやや強いが、じょうぶな膜をつくります。ポピーオイルは乾燥が遅く、黄変の程度は少ないが、ややもろい膜になります。一長一短です。

絵具のバインダーとしては、白には黄変程度の少ないポピー、色物には塗膜のじょうぶなリンシードという使い分けをしますが、画用液としてはそこまでの使い分けをしなくてよいでしょう。黄変の程度をとるか、塗膜のじょうぶさをとるかで、どちらか一方を選べばよいと思います。
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Q3: ペトロールとテレピンの使い分けを教えてください。
A: ペトロール、テレピンは画用液として使う揮発性溶剤のなかまです。使い分けるというものではなく、どちらかを選べばよいので、ここではそれぞれの性状について説明します。

テレピンは絵画技法上、古くから使われてきた重要な溶剤で、松の樹脂を蒸留して得られます。成分はα−ピネンを主とする物質で、日本の絵具メーカーが発売しているテレピンは、ヨーロッパのものよりもα−ピネンの純度が高くなっています。

特有の香気があり、描画に適した蒸発性状を持ち、樹脂に対する適度な溶解力があります。未開封のものは長持ちしますが、容器の半分くらいまで使ったものや、密栓が不充分なものは、空気にふれて徐々に変質します。変質したものは蒸発しきらずにべたつきを残します。したがって、使い残しの古いテレピンは、べたつきがないことを確認してから使ってください。テレピンには弱い感作性があり、まれに皮膚のかぶれをおこす人がいます。テレピンをさらに精製したα−ピネンも売られていますが、テレピンとの性状の差はあまりありません。


ペトロールは石油を蒸留して得られる揮発性溶剤です。石油蒸留物にはたくさんの種類があり、そのなかから、テレピンによく似た蒸発性状や溶解力をもつものが絵画用のペトロールとして使われます。蒸留は絵具メーカーではなく、大手の石油メーカーによっておこなわれます。

ペトロールは単一の物質ではなく、大きく三つのグループにわかれていて、これらの蒸留物の成分バランスは、絵具メーカーによって若干異なります。したがって各メーカーのペトロールでは、微妙な性状の違いがあります。成分のうち、溶解力に関ってくるものが多ければ溶解力も強くなります。

無臭のペトロールや無臭クリーナーは、特に溶解力が強い物質を含んでいないため、溶解力、洗浄力は弱くなります。ペトロールはテレピンのように空気によって変質しないと言われますが、まったく変質しないわけではありません。長期にわたって空気にふれると、やはり変質する場合があります。刺すようなにおいに変わったり、変色したペトロールは使ってはいけません。


テレピンもペトロールも揮発性溶剤ですから、絵具を固着させるはたらきはありません。乾性油やワニスの希釈剤として使うものです。揮発性溶剤の多用は、絵具の接着力を弱めます。揮発性溶剤は絵具の流動性をたかめてくれますが、最初から最後までテレピンだけで描くといったやりかたをしてはいけません。

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Q4: 乾性油と揮発性油を混ぜてオリジナルの画用液をつくりたいと思います。その割合はどのくらいにしたらよいでしょう。
A: 溶き油は、乾性油だけで描いても揮発性溶剤だけで描いても都合がよくありません。乾性油と揮発性溶剤のブレンドは、もっともシンプルなかたちの溶き油です。

乾性油の濃度ですが、最大で40%くらいが適当です。つまり、乾性油が4に揮発性溶剤が6の割合になります。これを越えない範囲で、調整してください。描画の際には、その濃度のものを最初から最後まで使ってしまうと濃すぎます。描き出しから中描きにかけては、さらに揮発性溶剤でうすめたものをお使いください。
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Q5: 油つぼに画用液をいれて保管していたら、固まったのはなぜですか。
A: 油つぼというのは、いっとき画用液をいれておくだけの道具で、保存容器ではありません。密閉性もあまりよくありませんし、多くの空気と共に画用液を入れておくことになります。プラスチック製の油つぼでは、プラスチック自体が酸素を透過させます。油つぼに画用液をいれておくと、しだいに空気で固まってしまうのは当然のことです。固まってしまうだけではなくて、つぼがブリキ製や銅製だと、後から絵具の変色を招く原因になることもあります。

めんどうでも使い終わったら、そのつど、油つぼの残り油はきれいにふき取っておきましょう。
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Q6: テレピンのにおいがきつすぎてダメなのでが、においのすくないものはありますか。
A: テレピンのにおいを取り去ることはできません。ペトロールのほうをためしてください。ペトロールの石油臭もダメならば、無臭のペトロールが市販されていますので、これを使ってみてください。ただし、無臭のペトロールは樹脂に対する溶解力が弱いので、ペインティングオイルの種類によってはこれを混ぜるとにごったり分離したりする場合があります。

ラベンダーオイルという揮発性溶剤もありますが、これもかなり強いにおいがあります。
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Q7: 油絵具をかいていると、画用液で手が荒れるのですが、何かいい対処法はありますか。
A: 手が荒れるのは、画用液に含まれる溶剤によって皮膚の油気が抜けるためです。ひどくなると、「脱脂性皮膚炎」というものをおこす場合もあります。原因は画用液が皮膚に接触するためですから、できるだけ画用液が手につかないようにすることです。服に画用液をこぼしてそのままにしておいても、脱脂はおこります。ただちに着替えるべきです。
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Q8: 油絵具の筆洗液の成分を教えてください。
A: ブラッシクリーナーはペトロールと同じく、石油の蒸留物で、やはり複数の物質からなります。組成的にはペトロールに似ていますが、洗浄に適するように、ペトロールより芳香族成分が多いものが選択されることがあります。洗浄力を強化したタイプのブラッシクリーナーデラックスというクサカベ製品では、さらに芳香族成分の多いものが使われます。

筆のリンス効果をうたったものは、筆毛を柔軟に保つ効果のある界面活性剤と乳化剤が配合されています。このタイプは、水を加えると白く乳化してしまうので、そのままで使います。

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Q9: 油絵具の筆洗液の代用として灯油は使えないでしょうか。
A: 使えないことはありません。ただし、洗浄力が弱いので、なかば固まりかけた筆を洗う場合などは不適当です。また、灯油は蒸留範囲がひろいので、非常に蒸発の遅い成分を含んでいます。洗った筆をよくふきとらないと、蒸発の遅い成分を絵具にとりこむことになります。

灯油には硫黄分が多くふくまれていて、それが筆をいためる原因になったり、絵具の変色を招くおそれがある、といわれるときもありますが、戦前戦後ならともかく、現在の灯油は脱硫度が高いのでその心配はありません。
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Q10: 描き終わった後、筆をブラッシクリーナーに入れっぱなしで放置してだいじょうぶですか。
A: 筆にクセがついてしまいます。さらに長時間放置すると、筆毛の根元に残った絵具カスがかたまってしまいます。一日の仕事が終わったら、石鹸とお湯で筆をよく洗い、形をととのえて立てておきましょう。
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Q11: ブラッシクリーナーに水をいれて使用したほうがよいのですか。
A: ブラッシクリーナーに水をいれると、水と油の二層に分離して、絵具の汚れが水の層に分離沈殿するため、上層のクリーナー部分は汚されずに長く使えるということで、またクリーナーの節約のため、しばしばそうした使い方をされます。しかし、絵具の油分は上層にとけこんでいるため、クリーナーの洗浄力劣化に気がつきにくくなります。筆洗器が鉄製だと、水をいれることで、サビが発生します。水の併用はおすすめできません。
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Q12: 汚れにくいブラッシクリーナーはつくれませんか。
A: 筆を洗うということは、筆についた絵具汚れをクリーナー液に移行させて、筆をきれいにすることにほかなりません。クリーナー液が汚れないということは、筆の汚れが落ちていないということですから、そのようなブラッシクリーナーは残念ながらつくれません。クリーナー液をなるべく汚さないためには、筆についた絵具汚れをボロきれでぬぐい取ってから洗うようにしてください。
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Q13: ブラッシクリーナーの容器にはいっている白い玉はなんのためのものですか。
A: 容器が筆洗器をかねた小型のクリーナーには、白い玉がはいったものがあります。液が汚れて、この玉が見えなくなったらそろそろ液を交換してください、というシグナルのようなものです。
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Q14: 使い終わったブラッシクリーナーは、どうやったら処理できるのですか。
A: 市販の油処理材があります。固めるものと吸わせるものがありますが、画材店で入手できます。吸わせるタイプのほうは、スーパーで売っている食用油を処理するものでも使えます。油を加熱してから固めるものは危険ですから、かならず常温で処理できるものを使ってください。なお、リンスいりのクリーナーは、固めるタイプが効きません。吸わせたり固めたりして処理したものは可燃ゴミとして回収に出します。

廃クリーナーは、できれば顔料と廃油にわけることが望ましいでしょう。廃クリーナーを静置しておくと、下に顔料の部分が沈みますから、うわずみの廃油部分を別容器に出してから処理し、残ったヘドロ状の顔料をビンなどにすくいとって不燃ゴミにします。ろ紙でこし分けてもよいでしょう。

学校で発生する廃油は、引火性の産業廃棄物として、有償処理の対象になります。
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Q15: 溶き油が白くにごってきました。使わないほうがよいでしょうか。
A: 鉛系の乾燥剤を使ったペインティングオイルでは、時間がたつと乾燥剤の鉛が不溶性のものになって析出沈殿してくることがあります。この場合は多少乾燥時間が長くなるだけで、使用にさしつかえありません。

ビンの中の空気にふれて、油が自動酸化して粘度の上昇をともなってにごってくる場合は、固着力の低下を招き使えません。

ダンマル樹脂をつかったペインティングオイルでは、にごり消しに入れてあるアルコールが蒸発するとにごってきます。この場合、少し濃度が高くなりますが使えます。

リンシードオイルのような乾性油は、厳冬期に白くにごることがありますが、あたたかい場所においておくともとにもどります。
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Q16: 金属製の缶にはいったテレピンをしばらくぶりに使おうと思ったらサビのような色がついていました。湿気のせいでしょうか。
A: テレピンは空気に触れると酸化しますが、酸化の過程で「過酸化物」というものができます。この過酸化物によって缶の鉄が腐食され、赤サビがでたのです。乾性油も酸化の過程で過酸化物を出しますから、おなじようにサビができます。画用液は使いかけの状態で金属容器に長く保存してはいけません。
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Q17: 油彩画の仕上げニスはかけなければいけないのですか。
A: たいていの絵は描きあがったらそれでおしまいになるようですが、仕上げのニスはかけたほうが絵のためになります。

ニスをかける目的は、画面の光沢の調整と画面の保護の二つです。描きあがった油彩画面にはたいてい光沢の部分ムラがあるものです。そこにニスをかけると、画面の光沢が統一されます。たいていの仕上げニスは艶だしですが、艶消し効果のものもあります。

画面はつねに大気中の汚れや画面に有害なガスの影響にさらされています。仕上げニスはその対策になります。大気中の汚れはニスの表面に吸着され、絵画そのものは汚されません。ニス表面が汚れてきたら、ニスの層を溶剤で除去すれば、もとの画面が復活します。また、ニスの層により、硫化水素や二酸化硫黄のようなガスから画面を隔絶することによって、画面の変色劣化をふせげます。

仕上げニスには天然樹脂のものと合成樹脂を使ったものが何種類かありますが、「タブロー」と呼ばれているダンマル樹脂のものがよく知られています。仕上げニスは絵具の乾燥がすすんでからでないとかけてはいけません。乾ききっていないうちにニスをかけると、絵具の乾燥を阻害します。描きあがってから六ヶ月は待たないといけません。クサカベの「タブロースペシャル」という製品は、ガスの通り道がある塗膜をつくるニスなので、長期間待たなくても絵具の指触乾燥の段階で塗ることができます。ただし、ガス透過性の塗膜なので有害ガスからの保護作用はありません。展覧会がせまっている作品のニスがけには重宝します。
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Q18: ニス(画面保護材)によって6カ月以上、絵具を乾かしてから塗らなくてはいけませんが、指触乾燥程度でそのニスを塗るとどうなりますか。
A: 仕上用のニスの多くは、高濃度の樹脂溶液です。これは溶剤の蒸発と共に乾燥してしまい、その塗膜も硬いものですから、絵具の層がゆっくり乾燥し、その体積が変化していくと既に乾いたニスの層がその変化に対応できず、ヒビが入ったりします。従って、殆どの仕上用ニスは絵具の層が一定の体積変化を終える期間中は、塗らないようにして下さい。
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Q19: 作品を展示する直前の指触乾燥程度の作品には、どのニスを塗れば光沢がきれいに出ますか。
A: 作品を制作していく時に、光沢が引けてしまうことがあります。このような作品を急いで出品しなければならない時は、指触乾燥していればエアゾールタイプの「タブロースペシャル」が効果的です。光沢調整と画面保護の両方の効果を発揮します。しかし、一時的なもので半年ほど経って絵具がある程度内部まで乾燥したら、表面を柔らかい布などにテレピンをしみ込ませて軽く拭いてから、「タブロー」を塗布して下さい。
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Q20: エアゾールになった「ルツーセ」を使っているのですが、途中から噴射できなくなりました。不良品でしょうか。
A: ルツーセに含まれる樹脂分が噴射ノズルにつまったもので、不良ではありません。製品のラベルにも書いてありますが、噴射しおわったらエアゾールをさかさにしてガスをから吹きさせるとノズルに残った液がふきとばされるのでつまることはありません。

殺虫剤や芳香剤のスプレーには、固まる成分が含まれていないのでその必要はありませんが、画用液のエアゾールにはたいてい樹脂が含まれています。「さかさから吹き」はかならず実行してください。不注意でつまらせたノズルは、溶剤で洗ったり細い針先でつつくと開通することがあります。ただしノズルの穴をひろげてしまうと噴射状態が悪くなります。
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Q21: 画用液には有害性や危険性をしらせるアイコンが表示されているものがあります。どのくらい有害危険なのでしょうか。また正しい取り扱いかたを教えてください。
A: 有害性は健康にたいする影響の程度ですが、危険性は防火上の危険度のことになります。

絵具の場合は、直接的な毒性も低く、体内に侵入する確率も低いので、それほど心配しなくてよいのですが、画用液の場合は揮発性の有機溶剤がかかわってくるので、蒸気を吸入することによる体内侵入があります。ベンゼンやトルエン、塗料用シンナーほど悪性ではありませんが、画用液にふくまれる溶剤も有機溶剤ですから、濃厚な蒸気を長時間吸っているとめまいや頭痛をおこすことも考えられます。

通常の使い方であればまず心配はないのですが、たまに新鮮な空気を吸ってリフレッシュすれば気分よく描きつづけられるというものです。画用液を幼児などが誤飲した場合の対処ですが、のどに指をさしこんだりして無理に吐かせてはいけません。吐いた溶剤が気管に逆流して、なおりにくい化学性肺炎というものをひきおこすおそれがあります。誤飲したら口をすすぐ程度にしてあわてずに医師にみせましょう。画用液で毒性の注意をするとしたら、ストリッパーでしょう。ほかの画用液よりも毒性が格段に高いので、より安全な剥離剤であるリムーバーKへの乗り換えをおすすめします。

危険性のほうですが、画用液は消防法による第四類に相当します。つまり引火性液体です。その危険度は引火点によって決まるといってよいでしょう。引火点が低いほど常温で引火する危険度がましてきます。画用液の場合、比較的引火点が高く、灯油を扱うのとおなじくらいの配慮をすればよいでしょう。画用液で比較的引火点の低いのは、アルコールベースのフキサチーフ類と可燃性ガスをつかったエアゾール類です。

乾性油には特殊な条件で自然発火する可能性があります。乾性油が酸素と反応するとき、わずかですが反応熱をだします。通常は熱が自然に放散されて問題にはならないのですが、絵具をふきとったボロきれをぎゅうぎゅうにゴミ箱につめこんだ場合には危険性がでてきます。ボロきれについた油は空気と触れる表面積が大きいので熱の発生が早く、つめこんだことで熱が放散されずにこもってしまい、温度が上昇していきます。暑い夏に教室のゴミ箱で発火した例もありますから、ボロをすてるときは、つめこみすぎない配慮が必要です。ポリ袋に水といっしょに捨てれば、まず安心です。
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Q22: 画用液の使用期限はありますか。
A: 使用期限は定めていませんが、品質を維持できる期間は、開封前と開封後ではかなりのちがいがあります。これは画用液のほとんどが酸素と反応するか蒸発性があることによります。新品のときは容器内の空気はわずかですが、使うにしたがって空気のしめる容積は大きくなってきます。

テレピンのように酸化により劣化する性質のある画用液や、速乾性のペインティングオイルのように空気の影響をうけやすい画用液は、使うにしたがって製品の劣化スピードは早くなります。画用液を買うときは、自分の使う量を考えて、必要以上に大きなサイズのものはさけるべきです。また、容器の密閉性を確保するために、中栓キャップを紛失しないようにするといった配慮は必要です。

画用液もまた、開封後の品質はご自身で管理してください。
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